陸奥・陸中・陸前。三つの国の総称である三陸を自転車で旅するための情報を実際に走った経験と共にお届けいたします。
1. 三陸海岸サイクリングコースについて
- 距離:479.20 km
- 獲得標高:7,322 m
仙台と八戸を結ぶ三陸海岸サイクリングコースは、全長約500kmもの超ロングコースとなります。キャノンボールをやってのけてしまう人ならば1日で走破できてしまうでしょうが、私のような貧脚ライダーは1日100kmくらいではないと心にゆとりをもって景色を楽しむことができません。
この記事では、三陸コースを4つの区間に分けてご紹介したいと思います。
- 距離:127.00 km
- 獲得標高:1,222 m
- 距離:127.40 km
- 獲得標高:2,219 m
- 距離:157.00 km
- 獲得標高:3,052 m
- 距離:67.80 km
- 獲得標高:829 m
2. 三陸海岸サイクリング実走記録
3. 三陸海岸サイクリングするためのアクセス
スタート地点の仙台も、ゴールの八戸も、どちらも東北新幹線が通っているので手軽に行くことができます。
自転車を持って新幹線に乗る方法は以下のページで紹介しているので、是非参考にしてみてください。
4. 三陸海岸サイクリングの見どころ調査
500kmもの距離を誇るコースだけあり見どころはたくさんありますが、私が心打たれた見どころを厳選してご紹介します。
言わずと知れた日本三景の一つ、松島。私が訪れたときはまだ朝の9時くらいでしたが、それでも多くの観光客でにぎわっていました。
ロングライドでは基本的に景勝地を時間をかけてみて回ることができないので、別の機会に観光したいところです。
あまり見どころして紹介はしたくはないのですが、三陸海岸沿いを旅するなら一度は訪れた方がいい場所です。
東日本大震災の津波によって、校庭に避難していた児童78名中74名と教職員13名中10名が死亡した大惨劇が起きた場所です。
実際に跡地に足を踏み入れ見学をしましたが、数人訪問者がいたにも関わらず、みなそれでも神妙な面持ちでじっと遺構を見つめていました。
津波の恐ろしさを生き残った我々が肌で感じることができる、貴重な場所の一つだと思います。
かの有名な建築家である隈研吾が設計したさんさん商店街は約30のお店で構成されています。生鮮店やカフェ、お食事処などが充実しており、また大きな無料駐車場と飲食スペースを備えています。土日は特設ステージでイベントが催されています。
日本で唯一サメを専門としている博物館です。魚市場も隣接されており、早朝はセリなんかも見学できるそうです。
私が見学した際は、一階の中央広場で地元の小中学生がダンスを披露していました。
こちらも東日本大震災で有名になった遺構の一つです。教科書にも載るほどの場所なので、結構整備されているものかと思っていましたが、未整備地にポツンと松が立っているだけでした。
ここ一帯は道の駅がある以外は一切建物がなく、町としての機能は高台に全て移っているようでした。
一本松の近くには、こちらも遺構としてアパートが残されていました。この5階部分まで津波が押し寄せたというのだから、恐ろしいです。
岩手県釜石市に存在する、ハンバーガー自販機。全国に59台だけ稼働しているみたいです。 ⇒ 懐かし自販機 最新稼働情報&完全リスト
実際に買って食べてみたのですが、チーズがとろけ、絶妙なおいしさでした。この自販機を見つけたら是非一度買って食べてみることをおすすめします。
釜石市街地から10kmほど北上したところに建設されている、ラグビー場です。
訪れてびっくりしたのですが、ラグビー場の周りは本当に何もありません。このラグビー場に一番近い鵜住居駅も申し訳ない程度にラグビーボールの展示がされているだけで、ワールドカップが開催される場所というオーラが一切感じられませんでした(2019年5月時点では)。
これからどうなっていくのか、自治体の腕の見せ所といったところでしょうか。
こちらは宮古市南部に位置する高浜地区に建造されている防波堤です。東日本大震災後の堤防建築ラッシュは景観を損ねてしまうということで賛否両論ありましたが、こうして登ってみると、建築美のようなものを感じることができます。
500kmほど三陸海岸を走っていて、手軽に登れる堤防はここだけだった気がします。
田野畑村という、なんとものどかな町にある三陸海岸有数の景勝地です。
高さ200mもの断崖絶壁の海岸線が約8㎞にもわたり続きます。全国観光資源評価「自然資源・海岸の部」で最高ランクの特A級に格付けされている景勝地となります。 以下のサイトから、他の観光資源の評価を確認することができます。
https://www.jtb.or.jp/page-search-tourism-resource
葦毛崎は太平洋戦争期に軍事施設として利用されていた場所で、太平洋を見渡すことができるビュースポットです。私が訪れた時、自衛隊の隊員が数人で太平洋に向けて双眼鏡を覗いていました。今も何か軍事的に意味のある拠点なのでしょうか。
蕪島神社は蕪島に存在する神社(当たり前か)。この島はウミネコの生息地らしく、繁殖期には約3万羽のウミネコが乱舞する為、神社境内は足の踏み場がないほどになるそう。そこら中にウミネコの糞が落ちていて、無料貸出のビニール傘が用意されているほど。実際に傘をさしている人もたくさんいました。
5. 三陸海岸サイクリングのまとめ
三陸海岸はリアス海岸を始め、海岸線がとても複雑であるため思った以上に走行距離があります。しかも高低差も激しいのでそれなりの覚悟をもっていくべきではあります。
また人里のない道を走ることが大半なので、天候や水分補給には十分気をつけましょう。
ですが、その辛さ以上に美しい景色や価値ある経験を与えてくれる風景を目にすることができるので、是非一度あなた自身の足で、目で、この景色を感じてほしいと思います。