東日本大震災最大の被災地、三陸沖に訪れました。毎度のことながら自転車でひたすら走ったわけですが、8年経った今も、震災の傷は鮮明に残っていました。
1日目は仙台、松島、石巻、女川、そして南三陸と走りました。
自転車で旅をすると、鉄道や自動車では目にとめないような景色にも目がとまるので本当におすすめですよ。
1. 今日の天気と気分
今日は4月27日(土)。10連休の初日です。
天気はあいにくの雨。そして四月終わるというのに最低気温3℃、最高気温9℃(石巻)といういじめ。とくにこれといって防寒対策をしてきてなかったので途中で命の危機を感じるほど…(人が全くいない道をひたすら通るので。)
そんな旅1日目の様子をご紹介します。
2. 実際に走ってみました
よっしゃ、三陸まで自転車で漕ぐぞ!…という威勢のいいことはできず、ちゃちゃっと始発で仙台まで。さすがGW初日、始発にも関わらず全車両満席でした。
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ちなみに余談ですが、朝家を出るのが遅くなり電車に遅れそうだったのでタクシーで東京駅まで行ったのですが、そこのタクシーの運転手さんに三陸を自転車で走ることを伝えたら歌舞伎揚げを餞別として渡されました。…こうして旅は始まりました。
天気予報では雨は朝のうちだけで、昼前からは曇り。そう信じていたのに仙台はまだ雨。雨に濡れることを避けるため、松島まで電車で行くことに。移動中に止んでくれれることを祈って。
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松島の塩竈駅で下車しましたが、むなしくも祈りは届かず、霧雨が降る降る。仕方がないので雨の中自転車を組み上げ、近くのコンビニで朝食をとります。ここからチャリ旅が始まります。
宮城を代表する観光地、松島が今回の旅のトップバッターとなりました。松島何回か、というか2か月前にも訪れたばかりなのであまり感動はないのですが、愛車と一緒に写真を撮るのは初なので記念に一枚。朝早いせいか、雨のせいか、観光客はほぼゼロ。日本三景が泣いていました。
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一瞬で撮影を終え、東松島へ向けて走ります。途中ものすごい量の貝殻がきれいに積み重なっていたので思わず撮影。奥に座っていたおばあちゃんに何なのか伺ってみると、牡蠣の幼生を付着させるためのほたての貝殻だそう。へー!思わず口に出してしまうほど、みごとな初耳でした。飾り用じゃないんだ…。
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東松島にある鳴瀬川河口。松の木が点々と立っていて、なんか面白い光景です。
ここからは石巻市です。本当は東松島にある航空自衛隊基地の松島基地を写真に収めたかったのですが、周辺道路が工事中でゲートっぽいところまでたどり着けなかった。残念。
あれ、もう女川?石巻は?という感じで女川に入ります。1時間かけて石巻を走ったのですが、正直写真に収めたいと思う風景がなかった…ごめんなさい石巻。
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女川の中心地まではちょっとした上り下りが続きます。写真は万石浦。海にみえる黒いのは何かを養殖しているのでしょうか。
ちょっと青空が見えますね、この時間帯は少しだけ晴れ間がのぞきました。
下の写真はかつて交番だった建物で、東日本大震災の津波によってなぎ倒されたものです。女川駅から歩いて5分程度の場所にあります。
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ここが女川の観光中心地なのですが、うーん、人がいない。天気が悪いことも相まって、哀愁が漂っていました。どげんとせんといかんですね。
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女川港からは北に向かって峠を越えます。この峠が辛い…。途中で東北大学の惑星圏女川観測所というのがありましたが、今も使われているのかはなぞです。
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途中御前浜という集落に出ましたが、人の気配が一切せず。堤防の建設だけが進んでいるようです。
今日一番目にしたかった場所がここ大川小学校。北上川河口から3km登った場所に位置するこの場所では生徒の約7割が亡くなり、今では校舎が震災遺構として保存されています。
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すぐ近くに裏山はあるのですが、小学一年生が登れるかと言われればなんとも言い難いです。
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校舎を見ていると、我が子の遺体を探す両親の姿がまじまじと目に浮かび、とてもやる瀬のない気持ちになりました。
大川小学校あたりから予感していたのですが、これは雨やむ気配がない。気温はいまだ一桁台。呂律も回らくなってきて、いよいよ命の危険を冗談でなく感じたので当初の予定を変更して、公共交通機関で今日の宿泊地である南三陸まで行くことに。
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でもその為には駅まで行かなくてはならない。海沿いではなく、北上川の登り柳津駅へと向かいます。途中、偶然にもであったラーメン屋さんで昼食をとります。低体温症直前だった私にはこのラーメンが本当に輝いて見えた…。手がかじかんで箸もまともにつかめませんでしたが、なんとか完食。
やっとの思いでついた柳津駅で自転車を解体して待合室でバスを待ちます。BRTは震災によって被害を受けた気仙沼線に代わって作られたバス路線です。始めは単なるバスかと思ったのですが、鉄道跡をバス専用道路に改修して高速輸送を実現しているみたい。鉄道がなくなるのは寂しいけれど、費用対効果を考えればBRTのほうが効率的なのは間違いないですね。
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ちなみにバスの中は普通の路線バスそのもの。
バスに揺られること1時間。そとはもう暗いです。雨が降っていたのでバス停の待合室で自転車を組み立てて、近くのハマーレ歌津という観光施設を訪れてみました。が、誰も人がいませんでした。というかお店も開いていなかった。残念です。
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宿に向かう途中、くまモンと遭遇。君、どこにでもいるね。
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近くのコンビニで夕飯と翌日の朝食を購入して今日の宿へ。真っ先にお風呂にお湯ためて飛び込んだね。生き返る~。明日も頑張って走ろう!