特に予定も決めていないこの日、三人揃ってだらだらと起床。
朝食会場は夕食とは違った場所で、最初に受付をした場所で取ることになっていた。
若干の隙間風に時々身を震わせて、体を覚醒させながら朝食を頂く。
朝食の後、少し宿の外に出てみると、氷上ではすでに何組もの釣り人たちがワカサギ釣りを楽しんでいた。
コロナ禍といえど、休日にはそれなりに人出があるらしい。
部屋に戻ってチェックアウトの時間までこれから何をするのか考えた。
スキーに行ってみるか?の声が上がり、調べてみると近くにスキー場があるということでまずはそこに向かうことにした。
宿のチェックアウトの手続きをするのに少し時間がかかるとのことで食堂の椅子に腰かけていると、わさわさと6人の若者グループが入ってきた。
どうやら朝からワカサギを釣っていたが寒さに堪えて暖を取りに来たらしい。
お汁粉を注文しようか、いやワカサギの天ぷらを注文しようなどと賑やかにしているのを脇目にスマホでこれから行く所を地図で確認していた。
10分くらいしてようやくチェックアウトの手続きが終わり、先に外で待っていた仲間のところに向かった。
車に荷物を積み終わったあと、さきほどチェックアウト待ちのときにgoogle mapでふと気になる場所を見つけたので行ってみないか、と仲間に提案。
その気になる場所というのは、”でかブランコ”という場所。
場所は宿の駐車場のすぐそこ、山の斜面を登ったところにあるようだ。
駐車場からは直接目にすることができなかったが、地図を見る限りそこまで遠くなさそうなのでさっそく足を運ぶことにした。
ブランコがある場所は元スキー場の中腹にあるらしく、ガツガツと雪山を登っていく。
途中すっころんだり、雪にはまりながら進むこと5分ほどのところに、木の枝にロープを結んだだけの、簡素なブランコを見つけた。
これが”でかブランコ”。
さっそくブランコに乗ってみると、そこからは赤城山と大沼を一望できた。
我々以外誰一人いないこの場所で、思う存分にこの雄大な風景を堪能することができた。
ただテンションが上がりすぎると、木の板で作られた座椅子は滑りやすく、このようになってしまうから注意が必要だ。
ブランコを堪能した26歳たちは次にスキー場を目指した。
次はスキー場に向かうのだが、青木旅館から車を五分ほど走らせたところにあるそのスキー場は、親子がゆっくりと斜面を滑り、はたまた別の場所では子供たちがそり遊びをしているような、26歳の私たちが到底はしゃげるような場所ではなかった。
ここは自称”日本一小さなスキー場”。自虐なのか自慢なのか良く分からないその肩書きはさておき、我々はここで何をすればいいのだろう。
とりあえず雪玉を作ってみたが、15分もしないでその場を去った。
赤城山からは来た道を下りていく。
さすが土曜日というだけあって登ってくる車が多かったが、事前にブログなどで調べていた様子に比べると、例年よりはきっと少ないのだろう。
下山する車はさらに少なく、気持ちよく市街地まで下りてきた。
下山してまず向かったのはタイヤ屋さん。スタットレスタイヤを返却するのだ。
行きは買い物をして時間を潰したタイヤ交換中の時間を、帰りはどうやって潰すか悩んだ末、昨日見つけていたカラオケ店でタイヤ交換が完了するまでの時間を過ごすことにした。
この建物だけ時に置いてかれてしまったかのような風貌の建物に入り、フリータイム550円という破格の値段で受付を済ました。
通された部屋は6帖はあるであろう大部屋で、三人にしてはあまりにも広すぎた。
これが感染対策なのか。
入室したから30分ほどでタイヤ屋から交換完了の電話がかかってきたが、盛り上がってしまったこともあり結局1時間半もカラオケ店で過ごすことになった。
車を受け取り、次は昼食だ。
せっかくだし何かご当地のものを食べたいということで、蕎麦蕎麦と連呼する一人の意見は無視し、群馬名物の豚丼を食べることにした。
我々が向かったのは、高崎にある豚丼屋”たんとん亭”。
前橋からは30分ほどの場所にあるそのお店に着いたのが、午後1時半。もう腹ペコだ。
ここたんとん亭は、1食千円程度という値段ながら、店内の雰囲気やサービスは下手な割烹料理屋より上品な印象で、非常に気にいった。
肝心の豚丼はというと、肉厚でこれまた旨い。
小鉢類も綺麗に平らげ、他の皆も食べ終わると、この店での目的が果たされた。
となるといよいよ帰宅だ。
お腹いっぱいになると眠くなる、これは火を見るよりも明らかな事実であり実際今回もそうだ。
眠気との格闘はドライバーの試練であるが、この眠気をガムとエナジードリンクのカフェインで潰して車を走らせるのは、実は嫌いではない。
むしろ旅行をしている特別感に浸れるということもあって好きだったりもする。
帰り道は比較的順調で、高速を下りてすぐの練馬IC付近を覗けば気持ちいくらいスムーズに帰宅ができた。
行き同様に高田馬場駅で皆を降ろして、この旅は終了。
次はキャンプで、ということで皆と別れた。