ここ数か月、結婚式やらなんやらでなかなか自転車に乗る時間が取れなかったのですが、ちょっと時間ができたので日帰りで近場を走ることにしました。
今回の旅は甲州街道(国道20号線)をひたすら走る、です。
1. 今日の天気と気分
2022年5月30日(土)。天気は快晴、風もそこまでなくリハビリサイクリングには絶好の天候でした。
久しぶりのロングライドが天気に恵まれて本当に良かった。
2. 実際に走ってみました
中央線で40分、意外と通勤や通学客で混雑している高尾駅に到着。
高尾方面なら余裕で座れるだろうと思っていたのですが、全然座れなくて意外でした。
自転車を組み立てて甲府を目指します!
まずは町中を走り抜けていく。
自然豊かでそれでいてちゃんと栄えている高尾は、居を構えるにはいい街かもしれない…。最近家を探しているので、色々な町を比較してしまう癖が付いてしまった。
ただ5分程走って少し町を離れると道路と自然しかない。
まずはこの道をまっすぐ、相模湖に向かいます。
今日の旅は大月から笹子峠付近が一番の難関だと思っていたのですが、初っ端から想定外。相模湖まで行くのに大垂水峠という峠を一つ越える必要がありました。
今は鉄道や高速道路が小仏峠の下をトンネルで通過していますが、江戸時代の甲州街道はもともと小仏峠を登るのが正規ルートだったそうです。
ただ小仏峠は急勾配で車道化が難しかったため、明治時代にこの大垂水峠を経由するルートになったそうです。
ようやく峠の頂点まで…。標高392m。高低差200mを超低速で登り切りました。
ただ悲しいかな、せっかく登ったのにまた200m下るとは…。
垂水峠を下ると、相模湖の市街地に出ます。
こちらは甲州街道9番目の宿場町である小原宿の本陣。
無料で開放しているようですが、あいにく今日は休館日。外からみて満足することにします。
せっかくなので相模湖を拝みに行こう。
変なオブジェは見つけたのですがなかなか湖を綺麗にカメラに収めることができるスポットが見当たらない。
住宅の隙間からちょろっとだけ湖を見ることができましたが、これでは全然満足できません。
湖を見ることはあきらめて、コンビニで朝食を取ります。
まずはこんなもので良いでしょう。昼までのカロリーはこれで十分。
相模湖を背に次の町に向かおうとしたとき、やっと満足がいく湖の姿を拝見することができました。
これで心置きなく相模湖を後にできます。
高尾を出発してから1時間半、山梨県最東端の上野原市に到着しました。
上野原ははじめて聞いた町の名前でしたが、人口2万人以上もいるそれなりに大きい町でした。
ここに住んでいる人たちは約10%が八王子へ出勤しているそうです。
上野原からは中央線の駅ごとに若干の建物があるだけで、他はなんの変哲もない道を進んでいきます。
途中、主張が激しい鮎販売所を通り過ぎ、少しすると「日本三奇橋 猿橋」とかかれた看板が目に入りました。
早速行ってみることにします。
観光地用に整備されたスペースに自転車を置き、一体どんな橋があるのか…。
うーん、一見すると普通の橋のように見えます。
ただよく橋の下のほうを見てみると、橋脚に瓦屋根が付いた面白い構造をしていることが分かります。
この猿橋は”刎橋”という形式で江戸時代に建築されたみたいで、その後何度も架け替えられて今の橋は1984年に建設されました。
大月といえば、中央自動車道での大月JCTや中央線で寝過ごした人が行きつく駅というイメージだけを持っていたのですが、今回はじめて実際に訪れました。
山の上の方に明治40年から稼働している駒橋水力発電所が見えます。
ここら辺は、東京に電力を送ろうと建設された発電所があちこちにあって歴史を感じられて楽しいです。
緩く長い坂をひたすら登って行ってヘロヘロになっていたのですが、ふと横を見ると自然豊かな景色が広がっていて若干ですが気分が上がります。
道を進むに連れて徐々にトンネルが多くなってきました。
このトンネルはしっかりと歩道が整備されているので安心して進むことができましたが、ほとんどのトンネルが狭い路肩しかないので慎重に進んでいきます。
山の少し奥の所にドームのような少し異質な建物がありました。
調べてみるとNECの大月事業所だそうで、光通信用機器と光海底機器を生産しているとか。
高速道路が近いからここに立地しているのでしょうか。でもここに配属になったらちょっと田舎過ぎてやだなあ。
緩やかな坂も終盤、笹子峠が近づいて来ました。
笹子峠を貫く笹子トンネルは、12年前悲惨な天井転落事故があったことで有名です。今回はその時犠牲になった方々の慰霊碑を訪れました。
国道から中央自動車道の高さのところまで坂道を登ったところにその慰霊碑はあります。
開錠されている門にはいると、事故現場となった笹子トンネルを望むことができます。
慰霊碑にはなくなった方9名の氏名と享年が彫られており、自分とそう年齢が変わらない方々が犠牲になった事実に他人事ではない気持ちになりました。
国道に戻り、こんどは”新”笹子トンネルに向かいます。
この道を左に進めばさらに300mを登り笹子隧道(240m)という昭和13年に開通したトンネルに着くのですが、正直、この時にはその気力はもうなく、私は昭和33年に開通した新笹子トンネル(2,953m)を通ることにしました。
御覧の通り路肩が狭いので、慎重に進んで行く必要があります。テールランプが点灯していることをしっかり確認して、前進。
途中、何度か退避場のような場所があったのですが、いたるところの電光掲示板に「自転車走行中!注意!」という表記がされており、どういう仕組みで私が走っていることを検知しているのか、不思議でなりませんでした。
新笹子トンネルを無事通り過ぎたら、出口のすぐそこにある道の駅に寄ります。
道の駅「甲斐大和」。平日なので空いているかと思いきや、意外と観光客っぽい人たちで賑わっていました。
こういう食堂感あふれる場所のごはんって美味しいんですよね。
私が頼んだのは甲州かつ丼とうらじろドック。
うらじろドックはフランクフルトにうらじろまんじゅうの生地を巻き付けて揚げたもので、砂糖醤油を付けていただきます。
うむ、お腹パンパン。炎天下で食欲がないと思いきや体は正直で一瞬にしてペロッと平らげてしまいました。
少しだけ休憩をして、甲府までラストスパートです。
道の駅からはあとはもう下っていくのみ!山登りの苦労はこの下り坂のためにあるといっても過言ではない。
風を切ってどんどん降りて行き、甲府盆地の街並みがどんどん自分の目線まで上がってきました。
ここまで降りればあとは平坦な道をずっと進んでいくのみ…。穏やかです。
山梨らしい、桃やぶどうの看板が増えてきました。
バイパスからとてもよく綺麗に見えた浅間神社の鳥居。この鳥居は一の鳥居で、更に奥に二の鳥居があるみたい。
甲府市!
甲府市に入ってからは建物が多く、いよいよゴールといった感じです。
この先はもう甲府駅です。少し甲府観光をしていきましょう。
こちらは山梨県庁。雰囲気がある歴史を感じさせる建物でした。
こちらは駅周辺のロータリー。地方都市の中ではちょっと静かな部類でしょうか。
とりあえず駅前の信玄像の写真をパシャリ。
駅の隣には甲府城の跡地がありました。
駅裏を少し覗いて見ると、何やらお洒落な蔵が立ち並ぶ場所を発見。線路を渡ってもっと近くに行ってみます。
甲州夢小路という、整備されたお洒落商店街でした。
この小路は結構映えるのでは?
いくつかある蔵の一つにあったエルモイゾーラというクマが可愛いカフェに入って小休止。帰りの特急までの時間をつぶします。
特急列車が来る20分前にカフェを出て自転車を畳み、山梨土産の信玄棒と炊き込みご飯の元を駅のキオスクで購入。
新宿行きの特急あずさは、6割ほどのお客さんが乗っていてこれまた予想外に人が多かった。
人って自分の想像以上に色々なところにいるんだなあ、と至極当たり前のことを実感した旅でした。
3. 実走記録