直前まで山形秋田を走るために計画を練っていたのですが、前日になって大雨の予報が出たので急遽晴れ予報の仙台行きチケットを買いました。何という柔軟さ。誰か褒めて欲しい笑
1. 今日の天気と気分
今日は2020年8月7日(金)。
自転車は「密」とはほぼ無縁ですが、それでもちょっとは気にするので人の少ない平日に走ることにしました。
太平洋側は猛暑ということで、最高気温が33度、熱中症対策と日焼け対策に気を付けながらサイクリングを楽しみました。
2. 実際に走ってみました
日帰りライドの朝は早い。朝4時半起きです。
前日は仕事で22時帰宅でヘトヘトだったのですが、そこはまだ25歳の若さパワー。朝には復活です。
重い自転車を担いで5時過ぎに自宅最寄りの駅まで歩いて、地下鉄に乗って、東京駅へ。だいたい20分。
そしてやまびこ51号盛岡行き。東京から仙台に行く始発の新幹線です。
ホームに上がって、新幹線前で記念撮影。
始発だからそんなに混んでないだろうと思っていたのですが、平日だということもあってビジネスマンでそこそこ埋まっていました。
新幹線の中で仮眠を取ること2時間、杜の都仙台への到着をアナウンスが告げます。
仙台へは今まで何度も来たことがありますが、今日は自転車をさっと組み上げてササっとおさらば。
観光はまた別の機会に…。
自転車をどこで組み立てようかとちょっと迷い、この2階コンコース下(つまり地上)に今回の自転車組み立て工場を決定。
仙台駅前の様子を収めてみたのですが、閑散としていました。コロナとか関係なく、平日の朝はこんなモノなのでしょうかね。
仙台市街から少し離れたところにある、東京と青森を結ぶ国道4号線を通って南下していきます。
ここが国道4号線に入る交差点です。結構車多くてちょっと萎え。
国道は各都市まで最短で結び、トンネルも整備されているのでロングライドには重宝しているのですが、迫りくるトラックに常に気を配らなくてはならないのが辛いんです。
とはいっても走らずにはいられないので黙って走ります。
この道では名取市と岩沼市を通過するのですが、この二都市では何が有名か、と言われると困ってしまいます。強いていうならば二つの市の境には仙台空港があるってことでしょうか…
国道4号線から国道6号線へ。
このまま国道4号線を走り続けると内陸の福島市へとつながるのですが、今回は国道6号線に入って福島の海沿いを走っていきます。
今日はここからほぼずっと国道6号線です。そして入ってすぐのところで阿武隈川とご対面。
川幅も広くすごく穏やかな川ですが、この川は暴れる時はすごいみたいで、毎回大雨の時は氾濫が絶えないようです。
仙台を走っている時は周りは建物しかありませんでしたが、いつの間にか目の前には山々が見えてきました。
いつもなら山が見えた瞬間、これから待ち受けるであろうヒルクライムに絶望するのですが、今回はあらかじめこの国道6号線があの山を登らずに脇を走ることを調べて知っていたので穏やかな目で山を見つめることができます。
でもね、穏やかになるのは一瞬。坂ではなく、別の敵が襲ってくるのです。
それは暑さ。
亘理町中心部に着く頃にはまだ10時前だというのに、気温は30度。
体感温度は思ったよりではないものの、それでも暑い。顔をさわってみるとジャリっとしていて塩を吹いていた…。今年一で汗をかいたかもです。
真夏のライドで大事なのは何といってもこまめな水分補給。
30kmごとにコンビニに立ち寄ってはスポドリ一本を飲み干します。脇の柵によりかかって…っと。
これはこれは可愛いカエルさんですこと。
カエルとの永久の別れを済ませ、常磐線の坂元駅あたりからちょっと国道を逸れて津波の被害があったエリアに入っていきます。
ここらへんには旧坂元駅があったのですが、いまではすっかり更地。道路もまだまだ復旧半ばでした。
そしてここから海沿いを走るのですが、ここも三陸と同じで大きな堤防が海と陸を大きく隔てていました。
あまり不謹慎なことは言いたくないのですが、堤防を見るたびにこの堤防が津波を防ぐ様を見てみたい!と思ってしまいます。
堤防沿いの道は作り立てほやほやですごくきれい。
道自体が高い位置に作られていて、道自体が堤防の役割を果たしいる構造となっています。
道を進むといつの間にか福島県に突入です。
新地町は福島県の町ですが、昔は仙台藩に属していたので宮城側の隣町、亘理町との交流が強いようです。
新地町の中心部あたりまで来ると、釣師浜漁港という綺麗に整備された漁港が見えてきます。
写真では写っていませんが、海釣りを楽しむ方々がたくさんいました。
また漁港の先には大きなクレーンがたくさん並んでいました。おそらく近くの福島天然ガス発電所の燃料とかを積み上げる場所なのだと思います。
東日本大震災でよく耳にした相馬という地名に足を踏み入れました。
この記事を書くために、一生懸命ここのエリアを走った記憶を掘り起こしているのですが、全く印象に残っていないという…。
たしかに国道沿いは何も印象的な建物はなかった気がします。
いつの間にか南相馬市へ。
南相馬といえば、やはり福島で津波の被害が大きかった地域という印象があります。
例の看板も見つけました。
去年三陸沖を走った時も、至る所に上記の津波浸水区間を知らせる看板が立っていました。この看板が、また百年後の大震災時に効果を発揮することを期待します。
こちらは立派なラブホかと思って写真を撮ったのですが、帰宅後調べてみるとウェディングパークでした…。すいません。
正午を回りお腹空いてきたところで、そこでご飯を食べようかな…と考え始めます。
ちょうと駅の道なみえがあと10kmの地点にあることを知らせる看板を見つけたので、その駅の道で食べることに。
ただ手持ちのマスクのゴムひもがプッツンと切れてしまいそうだったので、途中コンビニでマスクを買うことにしました。
コンビニの特設ブースに福島限定(?)のマスクがずらっと並んでいたので、せっかくなのでメイドイン福島マスクを購入することに。
結構、ひんやりして気持ちよかったですよ。
さて、マスクを買って数分走ると浪江町に到着です。
山々に囲まれた道を抜けて、市街地に出ます。
街に出てすぐのところに目的地の道の駅はあります。きれいに整備された道の駅でちょっと期待大です。
自転車を停めるところあるのかな、と思っていたのですがちゃんと自転車置き場が準備されていました。
私以外のサイクリストはいないようでしたが、観光客は結構たくさん。平日なのに驚きです。
道の駅では地元で獲れたシラス丼をいただきました。
うーん美味しい!
福島第一原子力発電所の事故の影響で帰宅困難区域に指定されている双葉町では、2020年8月現在、原付含む自動車の通行は許可されているのですが、自転車と歩行者の通行は未だに禁止されています。
今回は自転車で行ける限界のところまで進んでみます。
先ほどの道の駅から約2kmほど国道6号線を南下すると、立ち入り禁止を示す看板がたくさん設置されていました。
おそらくもうちょっと先まで進めるのかと思うのですが、看板の圧に負けてここで引き返すことに。
ここから先は電車で立ち入り禁止区域を通過します。
浪江町側からは、浪江駅で一度自転車を解体して常磐線に乗る必要があります。そして双葉町を跨いで富岡町まで進みます。
電車は2時間おきに来るのですが、自転車を輪行袋に閉まってからは電車が来るまで残り15分。我ながら順調な計画です。
駅の待合室に浪江女子発組合というアイドルグループの特設グループがありました。
このグループのプロデューサーはなんとももクロの佐々木彩夏みたいです。こんなこともやっているのですね~ももクロって。
おっと、電車がきました。
常磐線というだけあって、近代的な車両ですね。乗客は一車両3人程度でした。
車窓からは双葉町の街並みを見ることができました。
窓が割れていたり、中には倒壊している家屋もあったりして、人の手入れが十年近くされないとここまで建物は荒んでいくんだなと実感しました。
電車で15分ほど乗って富岡駅に到着しました。また自転車を組み上げます。
一度目的地のいわき市とは逆に向かって走り、立ち入り禁止区域の境界までいきます。
双葉町方面からすごい長さの車列が。
おそらく原発関連の仕事の車なのでしょうか。日立のバスは確実に原発で作業をしていた人を運んでいますね。
双葉町から帰る車の流れと逆走して境界まで進んでいきます。
防犯カメラ作動中という看板が目立ちます。人の住んでいない家屋からモノを盗む悪い輩がいるんですね…。
更に進むと立ち入り禁止を示す看板がこれでもかというほど並んでいました。ここが自転車で行ける限界点ですね。
先の信号でUターンをしたのですが、途中警官に声をかけられました。
どうやらここに来るまでに防犯カメラか何かで私がここにくることを検知していたみたいです。
回れ右をして富岡市街に戻りまして、今日一番寄りたかった場所へ向かいます。
東京電力廃炉資料館。入場料無料で充実した資料館ということで期待を大にして向かったのですが、なんと、、、コロナ対策で入場者数制限を設けているらしく、すでにたくさんのお客さんが入っているということで私は入れませんでした…。
そんなことってありますか…。一人くらいいいじゃんか~。でもどうもすることができないので、素直に帰宅することに
先ほどの資料館からゴールのいわき駅までの40kmの道のりはひたすら無心で走ります。
途中には特にこれといった観光地もなく、ただ前へ前へ進むことを考えていました。
この先には福島第二原子力発電所があります。森に囲まれていてその姿は一切見ることができませんでしたが。
第二原発のある楢葉町には、Jヴィレッジというナショナルトレーニングセンターがあります。
Jヴィレッジは東京電力が原発事業の一つとして建設した施設で、日本初のサッカー界初のトレーニングセンターらしいです。
原発事業がこういうところに貢献しているのですね。
いわき市に突入!といってもいわき市はとても大きな町なので駅まではまだまだあります。
いわきって東北の中で仙台に次いで人口が多い町みたいですね。
いわき市に入って、ちょっと海沿いを走ってみたかったので一度国道6号線を抜けます。
国道を外れると車通りはほとんどなく、とても気持ちよく走ることができました。
なんの変哲もない風景ですが、なぜかこういう風景に心惹かれてしまうんですよね。
トンネルを過ぎるとちょっとした市街地です。
また少し走ると小学生の時愛用していたボールペンの名を関したホテルを見つけました。
そしてこちらは弁天島。
普段は観光地なのでしょうけど、平日ということもあって誰一人もいませんでした。
久しぶりに長い距離を走ったなあ。日が落ちる前にいわき駅に到着です。
2月に来たときと全く同じ場所で自転車を解体しました。
本当は19時すぎに出発する特急に乗って帰る予定でしたが、それまでいわきでやることもなかったのでチケットを1時間前に変更しました。
ふー。
特急に乗り込んで駅で買ったウニ弁当を食べて、ぐっすり二時間の睡眠。
達成感というよりは安堵感に包まれて眠りにつきました。
それでは、また次の旅で。
3. 実走記録