2025年4月27日の日曜日。この日から一泊二日の予定で、大学時代の友人2人と男だけのキャンプに出かけることになった。
お互いにライフステージが変わり、全員の予定を合わせるのは年々難しくなってきている。そんな中で、こうして顔をそろえられる機会は、それだけでありがたいものだ。
今回の舞台は、茨城県かすみがうら市にある皆野キャンプ場。気心の知れた仲間と過ごす、気ままな一泊二日が始まる。
集合は朝の9時半。この時間に集まったのは友人1人で、まずは2人で、目的地のかすみがうら市へ向けて出発した。
かすみがうら市は、国内で2番目に大きな湖として知られる霞ヶ浦のほとりに広がる市で、市名もこの湖にちなんでいる。
もう1人の友人とは、このあと買い出しをするスーパーで合流することになっている。キャンプ場に入る前に、まずは食材と飲み物の調達だ。
11時、買い出しの場所であるスーパーセンタートライアルかすみがうら店に到着し、ここでもう1人の友人と合流した。これで、3人全員がそろったことになる。
食材も飲み物も一か所でまとめて揃えられる大型のスーパーは、キャンプの前にはありがたい存在である。
一泊分の食料と飲み物を、3人でまとめて買い込んだ。
買い出しを終えて、12時半ごろに皆野キャンプ場へ到着した。
場所はかすみがうら市上土田。常磐道の千代田石岡ICから車で5分ほどという、高速道路からのアクセスがよい立地である。
場内は木々に囲まれ、一角には竹林も広がっている。シャワーや炊事棟、ウォッシュレット式のトイレなどの設備も整っているそうだ。

サイトを決めて、タープの下にテーブルと椅子を並べると、くつろぐ準備は早くも万端。竹林を背にした、気持ちのよい場所に腰を落ち着けた。
着いてすぐに感じたのは、とにかく雰囲気のいいキャンプ場だということ。店主の方も気さくに接してくれて、それだけで今回のキャンプが楽しくなる予感がした。
設営がひと段落すると、さっそく遊びの時間である。今回登場したのは、ラダーゴルフだ。
ゴルフボールを2つ紐でつないだ「ボーラ」を投げて、三段のはしごに絡めて得点を競う。
発祥には諸説あるようだが、アメリカのキャンプ場で広まったとも言われている。

写真の奥では、友人がはしごのバーめがけてボーラを投げようとしている。
紐を投げてバーに引っかけるという、ただそれだけの単純な遊び。それなのに、この年になると、こういう素朴な遊びが意外なほど楽しい。
みんなで順番に投げ合っていると、結果がどちらに転んでも盛り上がるのだから不思議なものだ。
さて、今回のキャンプで最大の目玉は、YouTubeショートで見つけた「禁断のラードネギ油」である。
ネギ油とは、ネギの香りを油に移した調味料のこと。ラーメンの香味油や炒め物の香りづけに使われる定番の油だ。
そこへ大量のラードとニンニクを合わせるのだから、「禁断」と呼ばれるのも頷ける。
まずはニンニクの皮むきから。ひと粒ずつ丁寧にむいていく地道な作業が、延々と続く。

器の中には、むき終えたニンニクがこんもりと積み上がっていく。これだけの量を目にすると、「禁断」の名にも説得力が出てくる。
続いては、主役のネギ。焚き火台の網にのせたフライパンに、大量のラードを用意して、刻んだネギを入れていく。

鍋の中には、油にひたった淡い緑色のネギがたっぷりと広がった。
さらに唐辛子も加えて、あとはじっくり煮込んでいくだけである。

鍋の中では、ネギの緑と唐辛子の赤が、たっぷりの油の中で彩りを添えている。ここまでは、見た目にもなかなかおいしそうだった。
この時点では、まだ誰も、この先の展開を知らない。
煮込み始めてから、2時間ほどが過ぎた。
改めて鍋の中を確かめてみると、どうにも様子がおかしい。

淡い緑色だったネギはすっかり濃い茶色に変わり、鍋の中は黒々とした油の海になっている。わずかに緑色の具が残っているものの、最初の頃のみずみずしさは見る影もない。
あれ、なんか雲行きが怪しい。正直な感想は、これに尽きた。
そこで試食してみると、残念ながら、やはり失敗だった。
禁断の味を求めて始めたはずが、思わぬ結果に終わってしまった。
夜も更けてきた20時すぎ、ようやく夕食の時間になった。
失敗に終わったラードネギ油のことは、ひとまず忘れることにして、ここで登場したのがイカゲソ。ちなみにゲソとは、イカの足の部分のことである。

ラードネギ油の失敗を引きずっていた私たちの気持ちを、あっさりと立て直してくれたのが、このイカゲソだった。イカゲソは、文句なしにうまかった。
ラードネギ油の件はいったん棚上げにして、残りの夜をゆっくりと過ごす。
こうして、ラードネギ油の失敗というほろ苦い思い出を残しつつ、1日目の夜は静かに更けていった。
2日目の朝は、起きて朝食を済ませたあと、キャンプ道具の片づけから始まった。
テントやタープをたたみ、荷物を車へ積み込んでいくと、楽しかった時間にも終わりが近づいていることを実感する。
撤収を終えたら、お風呂へ向かう。行き先は、土浦市にある湯楽の里土浦店。
高濃度炭酸泉や寝ころび湯、サウナなど、浴槽の種類が豊富な施設だという。
キャンプの最後に湯船へ浸かる時間は、ちょっとした贅沢である。
お風呂でさっぱりしたあとは、昼食の場所を探すついでに、亀城公園へ足を延ばした。
特に目的があって来たわけではなく、気づけば公園をぶらぶらしている。なぜそうなったのかは、自分たちでもよく分からない。
亀城公園は、土浦城の本丸と二の丸の一部を整備した公園である。
土浦城は別名を「亀城」といい、水に浮かぶ亀の甲羅のように見えたことが、その名の由来と伝わっている。
園内には江戸時代の櫓門も残っているといい、城跡ならではの見どころだ。

池のほとりでは、噴水が静かに水を吹き上げていた。松の木々に囲まれた水辺に立つと、キャンプ場とはまた違う、落ち着いた時間が流れる。
さて、公園で気ままに過ごしたら、いよいよ昼食だ。向かったのは、地元に根付いた定食屋の亀屋食堂。
注文したのは、カツがメインの定食。大盛りのご飯に味噌汁、漬物まで付いて、見た目にもボリュームたっぷりである。

値段も手ごろなうえに、量も申し分なし。キャンプで過ごした二日間の締めくくりに、これ以上ない昼食だった。
味もボリュームも、大満足である。
食堂をあとにして帰路につき、夜の7時すぎに帰宅した。
旅の最後に残ったのは、1日目の試食で失敗と分かりつつも、家に持ち帰った「禁断のラードネギ油」。

改めて小皿に出してみると、ネギやニンニクの面影はほとんど残っておらず、見た目は油そのものである。
さすがにこれは食べられない・・・。
とにかくラードが前面に出すぎていて、どうにも脂っこすぎるのだ。
とんだ「禁断」の結末だが、これもキャンプの思い出のひとつだ。
お互いのライフステージが変わり、予定を合わせるのは簡単ではなくなってきた。それでも、気心の知れた友人たちとのキャンプは、やはり格別である。
これからも、無理のない範囲で、こうして集まれる機会を続けていきたい。
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